こんにちは。絵本制作室の三島です。
先日、練馬区にあるちひろ美術館へ行きました。ちひろ美術館は、絵本作家・画家のいわさきちひろさんの作品と、ほかにも絵本に関連するさまざまな作品が展示されている美術館です。
■ちひろさんの絵本と私
私の母が、いわさきちひろさんの絵を好きだった影響で、実家にはいわさきちひろさんが絵を担当された絵本がたくさんありました。ちひろさんの絵を見ると、自然と懐かしい気持ちになり、子ども心に帰るようでした。ちひろさんの絵本を開くと、母に見守られているような気分になるのでした。
以下は、実家から我が家にこっそりお迎えした絵本たちです。かなり年季が入っています(笑)!
『もしもし おでんわ』はよく覚えています。自分の娘たちにもよく読み聞かせをしました。
ほかにも、『おにたのぼうし』や『あめのひのおるすばん』など、忘れられない物語と心に迫る絵のついた作品は、印象に残っています。
ちひろ美術館へは車で行ったのですが、カーナビに告げられた場所に美術館らしい建物を全く見つけられず…(笑)。近くのコインパーキングに車を停め、Googleマップを頼りにたどり着いたのは、住宅街のど真ん中。ちひろさんが過ごした自宅の跡地に建てられたということで、納得しました。
■初山滋さんの没後50年展
今回行きたいと思った理由の1つは、初山滋さんの展覧会が開催されていると知ったからです。絵本の出版事業を始めたにもかかわらず、国内の絵本の歴史については疎く、初山滋さんのことは『日本の絵本100年100人100冊』(広松由希子 著/玉川大学出版部 刊)で紹介されていて、初めて知りました。
また、関連イベントとして高円寺の書店「えほんやるすばんばんするかいしゃ」で展示されていた初山滋さんの作品を見て、なんと魅力的な画家なんだろうと心を揺さぶれたのでした。そんな初山滋さんの没後50年展が開催されていると知り、足を運びました。
アンデルセンの童話につけられた幻想的な絵。短い文章とともにつけられた詩情あふれる絵。どの絵をみても、ぱぁっと心の中が明るくなるような絵で、そういう意味で私にとってはいわさきちひろさんと似ているなと思いました。色彩豊かな絵を眺めながら、夢ごこちになりました。
そして『日本の絵本100年100人100冊』で紹介されていた「たべるトンちゃん」のトンちゃんは、原画で見ても愛らしいトンちゃんでした!
(後日、復刻版が出版されていることを知り、取り扱っている書店から購入することができました!まだ届いていませんが、楽しみです)
弊社は、「世界と出会う絵本」というシリーズを立ち上げ、出版事業を始めました。子どもたちに新しい世界を知ってほしいという思いがあったからです。
今回の展覧会で見た初山滋さんの作品は、私には本当に新鮮に映り、まさに新しい世界と出会った感覚になりました。すごく不思議な感覚です。「新しい世界」は日本の外にあるものだと当然のように思っていたので、目からうろこでした。
本展覧会は、6月18日まで開催されています。ぜひ、みなさんも足を運んでみてはいかがでしょうか。