【ブログ】「ネコがどこかにいる絵本」展を観にいく

【ブログ】「ネコがどこかにいる絵本」展を観にいく

こんにちは。絵本制作室の三島です。
先日、成増にあるカフェPatinaさんへ、イランの絵本展を観にいってきました。

 

10回目を迎えたイランの絵本展

このイランの絵本展は、弊社でもお世話になっているペルシャ語の翻訳者 愛甲恵子さんのユニットであるサラーム・サラームが主催する展覧会で、今年でなんと10回目だそう。私も、うかがうのは今年で3回目です。

今年の展覧会のタイトルは「ネコがどこかにいる絵本」展。まず私は、展覧会のDMハガキに印刷された猫ちゃんに心を奪われました! キリっとした目でこちらを見ている鋭い目に吸い込まれそうです。

 


これは『友情の物語』(文:Gh. Sarami, 絵:N. Khosravi, Kanoon, 1976)という絵本の表紙です。

ところで、猫はペルシャ語でگربه。「ゴルベ」と発音します。
以前に、ペルシャ語のオンラインクラスを受講したことがあったのですが、同じクラスの受講生の飼い猫ちゃんが、いつもパソコンの前で邪魔をする様子がかわいらしく、先生がゴルベという単語を教えてくださったのでした。

 

いざ、展覧会へ

成増駅からPatinaさんへ行くには、ちょっといい感じの小道を通ります。この小道を通ると、イランの物語の世界へ来た!と感じるのです。

店内に入ると奥の壁にずらりと猫の絵本が並んでいます。来場した人たちが気に入った猫絵本に投票できるという楽しいイベントもありました。展覧会の様子は、サラーム・サラームさんのツイッターでご覧いただけますよ!

数々の猫絵本の中で、気になったものが2冊ありました。
1冊目は『ずっと遠く』(文:Abdorreza Samadi, 絵:Nooshin Sadeghian, Kanoon, 2020)という絵本。表紙でぐっとつかまれました。最初、表紙の動物が猫だと思って手に取ったのですが、中を読んでみると、表紙の動物はトラだとわかりました。

【あらすじ】
山の頂上から遠くを眺めている若いトラ。ずっとずっと遠くに丸くて黒いものが見え、それが何なのか探しにいきます。山を下りて、トラが見つけたものは…。

トラが出会う動物の中に猫がいるということなので、猫は主役ではないのですが、表紙のトラの存在感が抜群の絵本なのでした。絵を担当しているNooshin Sadeghianさんは、昨年に引き続き今年も、イタリア・ボローニャ国際絵本原画展に入選しています。

もう1つ気になった絵本は、『どんな色か言ってみて』(詩:A. Shaaban-nejad, 絵:R. Kheirieh, Kanoon, 2017)です。

これは本当にかっこいい絵本! 絵本の絵はもちろん素敵なのですが、紙面のデザインにKheiriehさんのこだわりを感じます。ペルシャ語のテキストの文字が1文字ずつデザインされていて、おしゃれなアート本のようになっています。

こちらも購入したかったのですが、残念ながらすでに売り切れでした。やはり、ほかの来場者の皆さんも、魅力を感じているのですね。

そして、この展覧会のもう1つの楽しみはそう、イラン料理がいただけることです。昨年は、訪問した時間が遅すぎたためランチ時間に間に合わなかったので、今年は本当に楽しみにしていました。

 鶏肉の煮込みと、イランでは定番というキュウリとヨーグルトのサラダ(マストヒヤール)。キュウリとヨーグルトのサラダは、初めていただきましたが、さっぱりしていて夏にぴったりで、ハマりそうでした。鶏肉やごはんにかけて食べるとまた絶品!

お腹も心も満たされた展覧会でした。

Patinaさんのある成増からも近い板橋区立美術館で、現在開催中のイタリア・ボローニャ国際絵本原画展には、イランのイラストレーターが何人も入選しています。ミュージアムショップでは、イランの絵本も購入できるようですよ! ぜひ皆さんも足を運んでみてくださいね。